美しさを求める塗装作業
美しさを求める塗装作業
いよいよヘッド製造の最終工程です。
ここで不良を起こしてしまうと、今までの工程がすべて無駄となってしまうので、細心の注意を払っています。
まず溶接が終わったヘッドの塗料を塗らない部分(フェース面など)に、マスキングテープを貼ります。
このマスキングテープを貼るのが実に難しい。トップラインなど少しずれただけでもフェースがかぶって見えたりするので、熟練さが必要となる作業です。
次に「サンドブラスト加工」と言って表面をザラザラにする加工を行います。
これは塗装がのりやすく、はがれにくくするための重要な加工です。
サンドブラスト加工を終えたヘッド
このヘッドを塗装ルームにて塗料を吹きかけます。
塗装ルームの入り口は何重もの扉とエアカーテンに仕切られていて
ほこりが一切入らないよう、厳重に管理されています。
塗料は細かく吹き付けしますので、塗料の大半が吹き飛んでしまいます。
実際、ヘッド1個に使う塗料の約3分の2が無駄となってしまうのですが、
美しく仕上げるにはこの方法が最適です。
まず下地を塗って乾かし、その上からまた塗料を吹きかけます。
塗料が乾いたヘッドから、順に光沢を出すためのバフ作業に移ります。
その後、文字部分などに色入れをしていきます。
実はこの作業って手作業なんです。私もびっくりしたのですが、当然機械で色が塗られていると思っていました。しかし1本1本丁寧に色を塗っています。ヘッドが何百個、何千個あるわけですから、本当に根気のいる作業です。
あとは色がはみ出た部分をシンナーできれいにふき取って完成です。
最後に1個づつ不良がないか目視でチェックします。
これでようやくヘッドが完成です。
このヘッドにシャフト、グリップが装着されてゴルフクラブとなるのです。