ヘッド工場の要である研磨作業

 

ヘッド工場の要である研磨作業 

次はとうとう工場の最重要工程「研磨」作業について説明します。

「研磨」という名の通り、ヘッドを削る工程です。
ただこの作業は誰でもすぐにできるというわけではありません。
(実際、研磨作業をする方の賃金が工場の中で一番高い)
一人前に削れるようになるには、早くても3年程度かかります。
それもそのはず、ちょっと多く削ってしまうと顔の形も変わってしまうし、厚みが薄くなるのでヘッド破損も起こってしまう。また重量も軽くなって不良品扱いとなってしまう。やり直しも効かない。
まさにヘッド工場の要となる作業です。

研磨に入る前に、ホーゼル(シャフトを挿入する部分)の穴をあける作業をします。この穴を歪んで開けてしまうと、シャフトがまっすぐに入りません。

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またヘッド重量を測ります。研磨を行っている最中も、常に重量はチェックします。

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そしていよいよ研磨作業。
研磨工程は、
「荒削り」→「120番研磨」→「180番研磨」→「320番研磨」→「布バフ」→「麻バフ」
という流れで行います。(番号の数字は表面の粗さを表します。数字が大きくなるほど細かくなる)

まずは「荒削り」。溶接工程での不要部分を落としていきます。高速回転で研磨機が回っているので、ヘッドからは火花が飛び散ります。また「音」も半端なく大きい。5分間この場にいるだけで耳の感覚がなくなってくるので、みなさん耳栓をつけながら作業を行います。

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荒削りが終了したヘッド。

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それから120番・180番と段階的に削ります。180番研磨が終わった後のヘッドです。

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ここから320番、最終仕上げである「麻バフ」へと移ります。

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麻バフが終わったヘッド。

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鏡のようにピカピカです。1枚の鉄板がここまで仕上がりました。

研磨工程はこれで終わりではありません。重要な検品作業を行います。この検品基準こそが工場の良し悪しを決定します。検品基準が甘い工場だとコストは安くできますが、その分ばらつきが多く製品としての質が下がります。逆に検品基準をきつくすると良い商品が出来上がりますが、作業員の高い技術力が必要となり不良率も上がってくる。結果的にヘッドコストが大幅に上がってしまいます。一般的に日本向け製品を作っている工場は後者のほうで、もちろん製造直販ゴルフ屋で展開しているクラブも、この工場で生産されています。

研磨後の検品作業。ヘッドにピンホール(穴)がないか、ヘッド重量は基準内に収まっているかなどチェック。

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ホーゼル外径が基準内かチェック。

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これでいよいよ最終の塗装作業に移ります。